電子カルテ導入のメリット・デメリット

2018/05/09

電子カルテの導入をご検討中のドクター向けに、クリニックの電子カルテに関するメリット・デメリットをまとめました。

感覚的には、例えばスケジュール管理に、スマホを使うか/手帳を使うか、という違いに似ています。

私どもいわゆる「電子カルテ業者」の実感としては、新規開業のクリニックであればだいたい8割~9割が、どこかのメーカーの電子カルテを導入している印象です。

概要

電子カルテを使うことのメリット・デメリットは、大まかに、このように言えるでしょう。

メリット 院内の情報化と効率アップ。
デメリット 停電・故障などのリスク。
コスト 導入費用と、経費削減効果との比較で判断。

電子カルテ導入のメリット

電子カルテはチェック機能でミスを防止・返戻を削減

電子カルテにはほとんどの場合、カルテやレセプト作成のミスを防ぐ「自動チェック機能」が搭載されています。返戻を防ぐ、「レセプトチェック」の機能がついた機種もあります。

支払基金の縦覧点検・突合点検に対するチェックなど、人手でやったら時間がかかって大変ですが、チェック機能を使えばあっという間に終わります。正確なカルテ・レセプト作りが素早く、簡単にできる。これは電子カルテの一番のメリットでしょう。

チェック機能の表示サンプル

下のように薬剤に関するチェックが働いて、投与の禁忌などを注意してくれています。
薬剤チェックの画面(警告「重複/相互作用/副作用があります」)

電子カルテは入力がラクで正確

電子カルテには、カルテ入力をサポートする機能がたくさんあります。
それらを使うと入力が楽になると同時に、入力自体が半自動化されることで、入力のブレや間違いを減らす効果もあります。

単語登録・入力予測変換

電子カルテはパソコンですから、お好みの単語登録が可能です。例えば「いん」と入力すれば「インフルエンザ」と候補が出るようにすることもできます。
また、入力内容の学習機能もあるので、使うごとに便利になっていきます。

コピー&ペースト、ドラッグ&ドロップ

カルテ作成・書類作成の時など、デジタルですから、データのコピーが簡単です。

テンプレート

カルテの入力項目をいろいろまとめて、テンプレート化するという機能があります。
疾病や症状ごとにテンプレートを用意しておけば、経過・処方・検査依頼・傷病名といった項目をワンタッチで入力できるようになります。手で入力するのはその患者さん独自の情報だけに絞られるので、カルテ作成の工数をぐっと減らすことができます。

Medicomの場合、こんなテンプレートを使用できます。

電子カルテなら、患者さんへの説明が充実

電子カルテには、処方データや患者さんの検査データが蓄積されていきます。それらをモニターに表示して、患者さんに見せつつ治療方針などを説明すれば、患者さんの病気に対する理解もぐっと深まるでしょう。

さらに、医療データベースが搭載されている電子カルテもあるので、説明資料を患者さんに見せたり、印刷して渡すことができます。

経過のグラフ表示サンプル

経過等グラフ表示(Medicom-HRV)

電子カルテは、院内の情報を一元管理できます

電子カルテはPACSや検査システム等と連携して、CR画像や検査結果など、患者さんに関するデータを一元管理できます。
さらに受付システム・レセコンとも連携することで、ドクターの手元にある電子カルテが、院内の情報管理の中心になります。

診療にまつわる資料のデジタル化が進むと、紛失の心配がなくなる、探すスピードがアップ、搬送の手間がなくなる、など、スタッフの皆さんの無駄な間接作業も削減されます。
院内情報の中心として動く電子カルテの図

電子カルテを検査センターとオンライン接続

電子カルテと外部の検査センターをオンラインで接続すると、ドクターの手元の電子カルテから検査指示を出せて、その後の結果取得までオンライン経由で行えるようになります。
手間がかからずスピーディー。しかも、ヒューマンエラーによるミスを減らすことができます。
検査センターと電子カルテの連携の様子(インターネット経由で便利に使えます)

<オンライン検査の流れ>

ドクターが電子カルテから検査指示を入力。
 ↓
電子カルテから検査センターへ、オンラインで依頼データを送信。
 ↓
検体を運搬・検査。(ここだけアナログ)
 ↓
検査結果をオンラインで電子カルテに取り込み。

電子カルテはどこでも使えます

電子カルテは院内で使うだけでなく、ノートパソコン等を使って往診や自宅に持ち運ぶ事ができます。また院内では、タブレットなどで手軽に情報共有することも可能です。

紙カルテを持ち歩いても過去カルテを見ることしかできませんが、電子カルテの端末(ノートパソコン)を持ち運べば、過去カルテだけでなく、患者さんの各種情報や院内の情報にもアクセスできます。
電子カルテを持ち出している様子

電子カルテは受付・会計が早くなり、患者満足度アップに貢献します

電子カルテは検索できるので、患者さんのカルテをサッと表示することが出来ます。カルテ出しに時間がかからず、紙カルテのように搬送・片付けの手間もかかりません。また、カルテが行方不明になることもありません。(重要)

予約受付システムを併用すれば、患者さんの待ち時間がさらに短縮され、待合室や駐車場の混雑防止、院内感染の予防にもつながります。
紙カルテと、予約受付+電子カルテの比較図(患者さんの待ち時間がだいぶ違います)

【参考】電子カルテ+予約受付でスピードアップ!!

<こんな予約システムがあります>
Good楽 受付(クリニック):機能充実タイプ
e-net診察受付:簡易・格安タイプ

電子カルテを使うと事務作業が楽になります

電子カルテには、紹介状や診断書といった各種書類のテンプレートを多数搭載してあります。書類作成のサポート機能などを使えば、めんどうな事務作業も手間がかかりません。
診療情報提供書、診断書の画像(サンプル)

院内にも便利に使えます

例えば、院内指示せんなどをテンプレート化し、投薬や注射・処置・検査などの指示内容を印字することもできます。(iPadを使う方法もあります)

電子カルテにはカルテ棚が不要です

電子カルテを使えば紙カルテを保管しなくてすみますから、収納スペースが不要です。地代の高い、首都圏のクリニックには大きなポイントです。

電子カルテは文字が読みやすく・検索性が高いです

電子カルテの文字はパソコンに表示されますから、当然たいへん読みやすくなっています。(ドクターの書く文字が読めなくて困ったことはありませんか?)
スタッフの皆さんにも喜ばれ、院内の報連相(ホウ・レン・ソウ)もよりスムーズになるでしょう。
データの検索もできるので、見たい情報にサッとたどり着けます。
電子カルテの文字が読みやすいイメージ画像

電子カルテ導入のデメリット

電子カルテは故障すると診療が難しいです

電子化で一番怖いのが故障です。電子カルテはパソコンですから、使用期間が長くなればなるほど故障のリスクが高くなります。(ですので、システムは5年をめどに入れ替えをおすすめしています。)
パソコンが故障しているイメージ

実際には、電子カルテシステム全ての端末(一般的にパソコン2~5台)が一度に故障することはまずないので、故障で完全にお手上げ、という事態はほとんど起こりません。不具合を予防する仕組みもありますし、全面的なシステムダウンを防ぐ、セカンドサーバ、各種バックアップといった補助システムが用意されていることが多いです。

電子カルテにすると、患者さんよりも画面を見てしまう傾向があります

電子カルテをキーボードで入力する時、ドクターはどうしてもモニターの方を向いてしまいます。電子カルテに慣れたドクターは、患者さんの方を見ずに、ずうっと電子カルテを見ているなんてことも。
紙カルテであれば、片手でサラサラっと書きながら、もう少し患者さんの方を向くこともできるのですが……
紙カルテと電子カルテ、ドクターの身体の向きの違い(イメージ図)
これは電子カルテの置き方や、タブレットで入力する、マイクで入力する、などの工夫で、多少改善できます。

電子カルテは紙よりも一覧性が低いです

電子カルテは、モニターの数と大きさにもよりますが、紙カルテに比べるとどうしても一覧性が低く、紙をめくるようにパラパラっと全体を眺めるのが得意ではありません。
その代り電子カルテでは、過去カルテの一覧表示や、検索機能などを使うことになります。

【参考】電子カルテと紙カルテの違い

電子カルテは停電に弱いです

パソコンに使える無停電装置などもありますが、他の医療機器も一緒に動かすとなると発電機くらいは必要になるでしょう。
停電時に普段と変わらない診療を行うのは、なかなか難しいようです。
停電のイメージ画像

メリット・デメリット、ケースバイケースなもの

以下はクリニックの状況や、ドクター・スタッフの皆さんによって変わるので、電子カルテの導入がメリットになる場合も、デメリットになる場合もあると思われます。

導入費用 vs 経費削減効果

電子カルテの導入・保守には、どうしてもお金がかかります。5年リースだと月に数万円といったところが多いようです。何台のパソコンとプリンターを使うか、どんなオプション機能を使うか、などによって費用が変わります。

ただ電子カルテには、紙カルテのような保管スペースが不要、出し入れ・運搬といった業務がスピードアップして残業代が減る、返戻が減る、などのような費用削減効果があります。

電子カルテ導入の学習コスト

最初に電子カルテの使い方を覚えるのは、ちょっと大変かもしれません。(パソコンに慣れてる方であれば、学習コストはぐっと低いでしょう。)
それを乗り越えてしまえば、手書きよりずっとラクで、作業も素早くこなせるようになります。
ドクター・スタッフが勉強している様子

毎日の入力作業

キーボードに不慣れなドクターが、一番心配されるのが毎日のカルテ入力です。果たして自分は使いこなせるのだろうか…という不安を持たれるようです。
キーボードで入力するドクター

パソコンが苦手な場合

キーボード入力をゼロから覚えようとすると大変です。パソコンに慣れてないドクターが、電子カルテを使うためだけに「キーボード入力」を習得するのは現実的でないかも知れません。

そういう方は、「ワンタッチ入力」や「音声入力」など、便利な方法がいろいろありますから、そういった方法を検討されてはいかがでしょうか。
また、「医療クラーク」を採用して、その人に入力してもらう方法もあります。
【参考】医療クラーク:ウィキペディア

パソコンに慣れてる場合

キーボード入力ができれば、手書きより断然早いです。手書きのように手が疲れることもありません。

【参考】Tech Target Japan 『電子カルテ普及の鍵は「スマートデバイス」と「医療クラークの活用」にあり』(別ウィンドウで開きます)

災害時の対応

地震・洪水・土砂崩れなどの災害時、電子カルテと紙カルテは一長一短あります。
災害の程度や復旧の度合いによっても変わってくるでしょう。
地震のイメージ画像

紙カルテの場合

【強み】
● 紛失・汚れなどがなければ、災害直後でもカルテ内容を確認できる。(電気が不要)
● 紙カルテが無事なら、災害がなかった地域への患者情報のパスが容易。

【弱み】
● 火災などに遭うと、カルテが完全に失われる恐れがある。(焼失)

電子カルテの場合

<強み>
● クラウドなどのバックアップシステムがあるので、災害時にもデータが失われる心配が少ない。

<弱み>
● 電気がないと使えないので、紙カルテに比べて復旧が遅れがち。

災害があった「その場所」での診療に関して言えば、そもそも電気がなければ診療自体が難しいので、紙カルテも電子カルテもそれほど変わらないのかも知れません。
他の地域へのカルテ情報のパスにしても、紙カルテが残っていればよそに送れますし、クラウドにデータがあれば共有できます。

まとめ

電子カルテのメリット 1.自動チェック機能がミスを防止・返戻を削減
2.入力がラクで正確
3.患者さんへの説明が充実
4.院内の情報を一元管理
5.検査センターとオンライン接続
6.どこでも電子カルテを使える
7.受付・会計が早くなり、患者満足度アップ
8.事務作業がラク
9.カルテ棚が不要
10.文字が読みやすい・検索性が高い
デメリット 1.故障すると診療が難しい
2.患者さんよりも画面を見てしまう
3.紙よりも一覧性が低い
4.停電に弱い
ケースバイケース 1.導入費用 vs 経費削減効果
2.最初の学習コスト
3.毎日の入力作業
4.災害時の対応

以上が、一般的な電子カルテ導入にあたってのメリット・デメリットです。導入ご検討の際、参考になれば幸いです。

とはいえ、今どきの新規開業のクリニックさんでは、ほとんどが電子カルテを導入されているようです。電子カルテご導入の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
もし今、Medicom以外の電子カルテをお使いでも、スムーズに乗り換えできるシステムがございます。

後から電子カルテを追加する事もできます

Medicomのレセプトコンピュータ「Medicom-HRiV」なら、とりあえずレセコンを導入しておいて、後から電子カルテにステップアップすることができます。

あとから電子カルテにステップアップできるレセコン
PHC製レセプトコンピューター Medicom-HRiV
【詳細はこちら】

このレセコンは「ステップアップソフト」を追加するだけで、レセコン一体型の電子カルテ「Medicom-HRV」に変更できます。

ステップアップ時には患者頭書・診療データなどを引き継ぐ事が可能ですし、過去の処方データをカルテのDo処方として活用することもできます。

ステップアップした後の電子カルテはこちらです。
PHC製電子カルテ Medicom-HRV
【詳細はこちら】

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