電子カルテ選びの基礎知識

クリニックの電子カルテを検討されているドクター向けに、電子カルテの基礎知識をまとめました。商品選びの前に、おおまかな業界知識としてどうぞ。(別途、レセコン選びの基礎知識 もございます。)

電子カルテとは?

電子カルテとは、紙でなくパソコンで管理するカルテです。
受付のレセコンとつながっていて、患者さんが来院して受付を済ませると、ドクターの手元にある電子カルテに来院患者さんがリスト表示されます。

ドクターはそのリストから患者さんの過去カルテを見て、診察して、記録します。
電子カルテは、オンラインで外部に検査依頼を出したり、ネット経由で検査結果を取り込んだり、患者さんの各種データを管理することができ、院内の情報管理の中心になります。

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電子カルテの普及率(診療所)

2017年時点で、クリニックにおける電子カルテの普及率は約3割と言われています。将来的には、新規開業時の電子カルテ導入により、電子カルテの普及率は少しずつ上がっていくと考えられています。
また、地域医療連携・地域包括ケア・遠隔診療などに対応しようとすると、電子カルテは必需品になります。

新規開業により上昇中

今どきの新規開業クリニックなら、開業時にほぼ電子カルテを導入されます。私どもの実感としては、新規開業するクリニックの8~9割が電子カルテを導入されている印象です。

世代交代・継承による導入

紙カルテをお使いのクリニックは、ドクターが世代交代する時、新しい先生が電子カルテの導入を検討されるケースが多いです。

普及率は上がり続けるでしょう

電子カルテを使用中のクリニックが、使うのをやめて紙カルテに戻ることはほとんどありません。クリニックの開業・世代交代につれて、電子カルテの普及率は少しずつ上がり続けるでしょう。

ちなみに、使用中の電子カルテが気に入らず他のメーカーに乗り替えるのはたまにありますが、データ移行が大変なのであまりおすすめではありません。(最初の電子カルテ選びが重要です)

電子カルテメーカーは多いが、寡占状態

クリニック向け電子カルテのメーカーは数が多く、全国10万のクリニックに対して50社以上のメーカーがしのぎを削っています(病院向けも含めると100社以上!?)。
なかでも上位6~7社が全国シェアの約3/4を占めており、寡占が進んだ状態になっています。(全国シェア1位は、弊社取り扱いのPHCです。)

電子カルテ全国シェア1位のPHC

カルテ選びはメーカー選び

各メーカーにおける電子カルテは1~2機種である場合が多く、同じメーカー内での選択肢は多くありません。電子カルテ選びイコール、メーカー選びであり、どのグレードにしようか悩むことはあまりありません。
下記は少し前の電子カルテ一覧ですが、58製品(!!)あります。

電子カルテを選ぶとレセコンが決まる

電子カルテはそれ単独で使うことはなく、受付のレセコンと連動させて使いますが、電子カルテによって接続できるレセコンが違います。

先にレセコンを決めてから電子カルテを選ぶと電子カルテの選択肢が少なくなってしまうので、電子カルテを導入する場合は、まず電子カルテを決めるのが先になるでしょう。

大手メーカー製の電子カルテであれば、レセコンもそのメーカー製のものが一緒になったシステムであることが多いです。そうでない電子カルテの場合、ORCAという医師会のレセコンに接続するシステムがほとんどです。

機能充実の大手メーカー製か、安上がりなORCA系電子カルテか

区分 特徴
大手メーカー製電子カルテ 電子カルテとレセコンがセット(統合システム)
その他電子カルテ 電子カルテをORCAに接続(データ連携力が低め)

大手メーカーの電子カルテはほとんどの場合、そのメーカーのレセコンと一体化したシステムになっていて、他社製レセコンやORCAと接続することはできません。多くの場合、「電子カルテはレセコンとセットで買うもの」になっています。

特徴としては、様々な機能が充実している、レセコンとのデータ連携が深く、受付とドクターの間で様々なデータのやりとりができる、などがあげられます。

日本医師会が作っている「ORCA」というレセコンはソフトウェアが無料なので、「ORCA+対応電子カルテ」を選ぶと比較的コストをかけずに電子カルテを導入できます。
ただ、レセコンと電子カルテのデータ連携の範囲は少なめで、できることに限界があるようです。

クラウドか、オンプレか

最近はクラウド型の電子カルテも出てきました。レセコンはORCAを使うものが多く、「クラウド」であること自体が一番の特徴です。つまり、ドクターがパソコンを用意してインターネット経由で電子カルテを使うスタイルになります。

SaaS型のサービス提供という事もあり、これまでの電子カルテにおける「システム一式納品」とはだいぶ考え方が違います。

特徴をまとめると以下のようになります。

  クラウド型 電子カルテ これまでの電子カルテ
PC等ハードウェア ドクターが自分で用意する 納品一式に含まれる
納品形態 ソフトをネット経由でダウンロードして使用開始 ソフトとハードを一式ご納品、操作説明して使用開始
サポート あっさり
メール > 電話
手厚い
電話 > 直接訪問 > メール
サポート範囲 電子カルテソフト(ハード含まず) 電子カルテ一式(ソフトとハード両方)
レセコン ORCAが多い(場合によっては、レセコンは別会社によるサポート) メーカーによって違うが、一体型ならまとめてサポート

電子カルテの費用対効果

大まかに言って、電子カルテの導入には数百万円のお金がかかりますが、クリニックの運営を電子化して効率化します。特に紙のカルテをデータ化することで、保管場所がいらなくなり検索・移動に人手がかからなくなります。

また、ドクターの手元にある電子カルテがクリニックの情報機器の中心として動くので、ドクターにとっての利便性が高まります。

費用
  • 初期費用(300~500万円)
  • ランニングコスト(数万円/月)
効果
  • 診療情報のデータベース化
  • 検査会社などとオンライン接続
  • カルテ関連業務のスピードアップ
  • カルテの保管不要・紛失しない
  • 指示~フィードバックに人の手がかからなくなる
  • スタッフの残業時間削減  など

電子カルテのサポート体制

電子カルテのサポート内容は、メーカーや販売店によってかなり違います。サポートが必要になる状況別に、下記のような内容を確認しておくと安心です。

タイミング サポート詳細
導入前 ・使い方の説明は?
・無料/有料?
・追加指導はできる?
操作方法が分からなくなった ・受付時間/曜日はいつ?
・電話/メール?
故障した時 ・受付時間/曜日はいつ?
・電話/メール?
・すぐに修理できる?
停電時 ・停電しても使える?
・突然停電しても大丈夫?
災害時 ・災害への備えは?
・突然の災害にも復旧できる?

導入前

開業時などの新規システム導入時、電子カルテの操作説明をどのように受けられるか確認しましょう。
マニュアルを渡されるだけか、対面で指導を受けられるのか、有料か無料か、ベンダーによっていろいろなやり方があります。
また、新人さんが入られた時など、追加の操作説明についても確認しておくと安心です。

操作方法が分からなくなった時

ユーザー様から一番多いお問い合わせが、ちょっとした使い方に関するものです。
「あれどうやるんだっけ?」とか、「これができないんだけど?」という内容がほとんどで、故障や不具合はそれほど多くありません。

うっかり忘れてしまった使い方や、例外的な処理の操作方法など、「これってどうやるの?」という質問に対して、販売会社がどう対応してくれるか確認しておきましょう。
その際、電話だけの対応か、それ以外の手段もあるのか?対応できる時間帯はいつなのか? など、こまかく確認しておくと安心です。
ちなみに、スマートフォンのビデオ通話などを使うと、やり取りが楽になります。

故障した時の対応方法は?

そうは言っても、やっぱり心配なのが故障や不具合です。
診療時間中に電子カルテが故障してはたまりませんから、万が一そうなってしまった場合、どのようなフォローが受けられるか確認しておきましょう。

私どもの故障で一番多いのはプリンタ関連です。交換部品や代替機をすぐに持ってきてもらえるか、とても重要です。

故障したパソコン

停電時の対応は?

停電している時に電子カルテシステム全体を動かすのは、電力の安定供給の面で非常に難しいです。

ただ、突然の停電時にもシステムに悪影響が出ないこと、きちんとデータが保全されることは確認しておく必要があります。
無停電電源装置(UPS)を使っておくと、突然の停電にもデータをセーブする時間がとれるので安心です(時間にして数分~十数分くらいです)。機種によっては、電気の瞬断にも対応します。

災害時の対応は?

地震・台風など、災害時は電子カルテがダメージを受けることも考えられます。
そんな時にどんなサポートが受けられるか、確認しておくと安心です。

  • 機器が壊れた場合
  • データが破損・読めなくなった場合
  • データが失われた場合 などが考えられます

ちなみに弊社には、以下のようなサービスがございます。
いざという時、お役に立ちますのでぜひご検討ください!!

リモートメンテナンス【好評】

弊社のオペレーターが、ユーザー様のPCの画面を見ながら、復旧・ご説明いたします。
困った状況をいちいち説明しなくて済むので、対応がスピーディーに進みます。(月額料金がかかりますが、使ったことのある方には「話が早い」と大好評です。)

ネットワークバックアップ【安心】

インターネット経由で、遠隔地にデータをバックアップします。
災害が起きてクリニック内のシステムが全て破壊されても、代替機とバックアップデータを使って復旧することができます。

電子カルテの価格

私どもの販売している電子カルテですと、一式でだいたい300万円~500万円ほどになります。これはクリニック様でよくある、パソコン3台~5台構成の費用です。

3台構成というのは電子カルテの最小構成で、受付に置くレセコン(レセプトコンピューター)、ドクターの手元に置く電子カルテ、院内のネットワークを作るサーバー、という3台です。これで、患者さんの受付~診察記録~会計までを行う、院内の電子カルテシステムを構成します。

それに、受付のパソコンを増やしたり、処置室にノートパソコンを置いたりすると、その台数によってお値段が変わります。お見積りの時は、どこに何台パソコンを置くか決めておくとスムーズです。

見積前チェックリスト

業者さんに見積を取る前に、どうしたいか、方針をまとめておくと話が早いです。

パソコン 受付   台
診察室   台
処置室   台
ノートパソコン   台
タブレット   台
モニター   台
プリンター レーザー   台
インクジェット   台
診察券 手書き / 印刷 / リライト印刷
保険証スキャナー 必要 / 不要
クラウドバックアップ 必要 / 不要
予約受付 必要 / 不要
オンライン診療 必要 / 不要
その他オプション  
接続機器  
外部検査会社との連携  

リースの場合の費用感

電子カルテの導入には、リースを使われる方もいらっしゃいます。
例えば合計300万円の電子カルテを5年リースで、料率1.8%とすると、月額は54,000円になります。

毎月の保守料

弊社の場合、電子カルテご導入後は、故障時の対応のために保守料がかかります。
ご利用いただく機器や台数によって変わりますが、全機材の合計でだいたい月額1~3万円くらいです。

電子カルテの納期

私どものような「システム一式ご納品」の場合ですと、電子カルテを使い始めるには、ご発注から3~4ヶ月程度みていただいております。
これには、納品システムに関するお打ち合わせから、設定作業、ご納品、クリニックの皆さんに操作説明といった作業が含まれます。

クラウドの場合だと、カルテを決めて、自分で機材を購入、インストールして使いはじめ、使い方を覚える。という段取りになるので、1~2ヶ月程度でしょうか。

どちらにしても、クリニック様は発注前にいくつかの製品デモを見て、相見積をとり、検討する期間が1~2ヶ月はかかるでしょうから、電子カルテの検討から導入にはトータルで4ヶ月~半年くらいは必要でしょう。
例えば4月にご開業ということでしたら、前の年の10月くらいから電子カルテをご検討いただくと安心です。

電子カルテ導入のコツ

電子カルテ業者としてはちょっと言いにくいこともありますので、サラッと。

デジタル化・ペーパーレスにこだわりすぎない

電子カルテを導入したからといって、クリニックのすみからすみまでデジタル化しようとすると多くの場合、無理が出ます。連絡メモやタスクリストなど、一部アナログを残した運用にすると、電子カルテの導入がスムーズにいきます。

ハードの寿命を知る

電子カルテのシステムは使うごとにデータが蓄積し、どうしても遅くなります。定期的に新しいパソコンに買い替えていただくと快適に使い続けられます。
特に、ハードディスクとUPS(無停電電源装置)は消耗品と考えて、3年~5年を目安に買い替えをご検討ください。また、サポートが切れた機器を使い続けるのは危険なのでおやめください・・・

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